update: 2004年9月23日  

神宮前耳鼻科 クリニック


補聴器外来

函館   © Y.KOSEKI

 

  難聴で困っているが、補聴器についてよくわからない。実際に使用して効果を試したい。補聴器を購入したが、音がうるさいばかりでなく何を言っているのか、さっぱり聞き取れない。こういう訴えは実に多く、しかも解決に至っていない症例にたびたび遭遇します。補聴器は、眼鏡やコンタクトレンズの処方箋のように簡単ではなく、まして検査もせず、誰かがどこかの量販店などで購入したのでは、うまく行くはずはありません。適切な補聴器の選択と調整がなければ、何十万円もむだになってしまいます。この補聴器外来では、新しく補聴器を作成する方、他で補聴器を作成したが調子が悪い方、難聴が軽度だが、会議の時に聞き取りが今一で、補聴器を実際に試用して効果を確かめたい方など、補聴器に関係したさまざまな症例を扱います。

ガルニエ宮(パリ・オペラ座)   © Y.KOSEKI
 

補聴器の盲点 ‥‥ 高齢者の場合、意外と本人は困っていないことがあります1〜2)

    耳鳴りの無い難聴者は、静寂の世界で暮らしています。補聴器を装用するという事は、日常生活の様々な雑音(暗騒音)のある世界へ再び引き戻す事でもあります。高齢者の場合、意外と難聴者本人は困っておらず、同居しているご家族が不自由なために、補聴器を希望してくる場合が少なくありません。このような方に合わない補聴器を装用させても 「ああ、うるさい」 と言ってすぐに補聴器を使用しなくなり、タンスの肥しになってしまいます。実際には、本人が何度も聞き返すのを困っているのではなく、大声で何度も話す同居人の方がくたびれてしまっている場合が多いようです。


デジタル式補聴器 ‥‥ 
本当にいいの?

  近年のデジタル技術の進歩は、各種メディアで革命的な変革をもたらしました。これらの技術を用いた優秀な補聴器が出現してきたのは事実ですが、残念ながら実際に使用に耐えられる機種は、ごくわずかしかありません。現在、日本では、約500機種もの補聴器が販売されていますが、同じ部品を使用して作られているものが大半で、1993年に、市販されている25メーカー460全機種を調査した時には、実際に使用できる、と私が判断した補聴器は、わずか1割程度しかありませんでした3〜4)。この頃の補聴器の音は大半が劣悪で、補聴器で聞き取りを向上させるどころか、雑音を与えるだけのものもありました。また、この頃のデジタル式補聴器は、問題が多い割には「デジタル式だから音が良い」などという短絡的な宣伝が横行したりして、しばらく困った状態が続きました。また、以前から音の良い補聴器の必要性を啓蒙し3〜7)、メーカーにも訴えたり、難聴者がコンサートに行ける程の高品位補聴器を実際に自分で製作したりしましたが5〜7)、未だに理解できない専門家もいるようです。しかしながら、1998年頃から本当に性能の優秀なデジタル式補聴器が現れるようになり、ようやくデジタル式補聴器にも光が見えてきました。2000年1月に行った調査では、この時点で45機種中18機種が合格しました。
  大切なのは、アナログ式補聴器とデジタル式補聴器の違いは、性能の差なの
ではなく、単に信号処理の方式が違う2)、ということなのです。ですから、単純にデジタル式だから良い、悪い、といった評価は誤りで、もしこのような判断をしている人がいるならば、補聴器の本質的な理解・評価ができていない人という事になります。    

以下、現在続筆中です。もう少しお待ちください。

  

    1) 補聴器の調整 〜利用面での調整(うるささの対応) 「補聴器」 日本聴覚医学会 補聴研究会 52-55, 1995.

    2) 「補聴器 Q & A」 金原出版 神崎仁、他編 分筆 2001.

    3) 補聴器の周波数特性(高域)の検討 Audiology Japan 36(5) 311-312, 1993.

    4) Study of Frequency Responses of Hearing Aids      International Congress of Audiology 234, 1994.

    5) 補聴器の高品位化への試み 〜DCアンプの導入により、その可能性をさぐる Audiology Japan 34(5) 341-342, 1991.

    6) 中・高度難聴者に対する新しい補聴器装用の試み 厚生省急性高度難聴調査研究班報告誌, 1992.

    7) Development of a High-Definition Hearing Aid      International Congress of Audiology 209, 1992.

    8) 補聴器の周波数特性表示に関する一提案 Audiology Japan 37(5) 353-354, 1994.

    9) 補聴器の周波数特性のHL表示 Audiology Japan 38(5) 681-682, 1995.

 

 * 当院は、厚生大臣の定める補聴器適合検査施設基準に適合した届け出施設です。

(昭和60年度厚生省主催補聴器適合判定医師研修会・補聴器の部終了、

補聴器特性装置、音場での補聴器装用各種検査機器完備)

バイロイト祝祭劇場    © Y.KOSEKI

神宮前耳鼻科 クリニック


〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 6-1-5

TEL:03-3400-3022

FAX:03-3400-3033

*FAXの送信には、電話による事前登録が必要です。

HOME