医療情報(一部医療機関向け)


ポルヴォー(フィンランド)  撮影:2019年8月

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鼻茸(はなたけ)や、あまりに多く誤解されている耳鼻咽喉科疾患について、基本たった2行で単刀直入に解説します。
ネット社会以前には考えられなかった事ですが、 この内容は、医師も対象にしています。
2014年8月1日より掲載開始しました。少しずつ内容を追加していきます。

目次

耳関連
   世の中で、「突発性難聴」と診断されているものの多くは「内リンパ水腫」で、「突発性難聴」ではない
     低音が落ちるものは突発性難聴ではない。毎回ステロイドを処方してはならない。
     繰り返す難聴に「突発性難聴」と診断する耳鼻科医がいたら、迷わず転医した方が良い。
      * 芸能人が、よく「突発性難聴」に罹患した、と報道されるが、これは便宜上、そう公表しているのであって
       全てが「突発性難聴」なのではない。ここを理解した上で報道しないと、的外れなコメントは混乱を招く。
   耳管開放症として診断されているものには、「内リンパ水腫」が多く含まれる
     耳管開放症の症状の一つとして「音程が下がる」 を見かけるが、耳管開放症単独では、音程の変化は起きない。
     「音程が下がる」場合には、二次的に「内リンパ水腫」が起きている、と考えた方が理に適っている。

   内リンパ水腫で「音程が下がる」という事を知らない耳鼻咽喉科医が、たくさんいる
     音程が下がる場合には、内リンパ水腫により内耳の基底板のコンプライアンスが変わり、
     チューニング・カーヴが変わった、と考えた方が合理的。音程が下がる薬にも注意。

   頭の位置を変えて誘発される眩暈をすべて「良性発作性眩暈」と診断してはならない
     内耳性の眩暈でも、頭の位置を変える事で眩暈を誘発される。迂闊に患者に病名を告げるべきではない。
   残念ながら、補聴器の調整技術には天と地ほどの差があり、最低レヴェルの所も少なくない
     コメント不要。書いてある通り。
   軽度〜中等度の一側性難聴患者に、補聴器は有用である
     「片方が正常だし、悪い方の耳に補聴器を入れても煩いだけ」というのは、過去の事。
     積極的にオープン・フィット型補聴器を試すべきである。患者の悩み・ストレスは、耳鼻科医が考えているより
     遥かに深刻。

   人工中耳の欠点
     現在のものは手術が必要で、MRI検査も受けられない。鼓膜にチューブを留置する方法で、その先にマグネット、
     コイルを仕込んで鼓膜を駆動すれば、今より相当高品位な補聴器、人工中耳ができる。しかも、開業医でも簡単
     に留置できる。留置駆動子は簡単に抜去できるので、MRI検査も可能。鼓膜を静電膜としてエレクトレット駆動
     しても良い。

鼻関連
   鼻のカサブタの特効薬
     アクロマイシン軟膏は、この手には抜群に効く。外にはみ出る位、たっぷり塗布。リンデロンなどを処方しては
     ならない。

   花粉症の診断・治療の落とし穴
     何のアレルギーがあって、どの位の強さなのか、毎日の花粉の量がどの位なのかを把握しないと、効果の
     判定はできない。
     ただ無意味な投薬の変更を繰り返しても、患者の症状改善は望めない。ここを参照の事。

   レーザー治療は、アレルギー性鼻炎の一連の治療の一環として行うべきで、それ単独では将来的な展望は望めない
     何のアレルギーがあって、どの位の強さなのかを把握し、照射のタイミング、強さ、頻度を決めるべきである。
     ただ照射しただけでは、症状のコントロールはできない。

   舌下免疫療法は、世間で報道されているほど甘くない
     相当大変です。こちらをお読み下さい
   効果が、かなり期待できる皮下免疫療法(減感作療法)
     ここを参照
   医者が処方する花粉症の内服薬には、ほとんど効かない薬がある
     服用しても効いている実感が無い薬がある。カタログ・データと実際の臨床、投薬のノウハウは全く違う
     のが現実。

   花粉症、アレルギー性鼻炎の点鼻薬は、同じ主成分でも効果は段違い
     実際に全ての点鼻薬を使用して検証。鼻汁が多い場合、鼻閉主体の場合、トータル・バランス、鼻茸合併例、
     嗅覚障害合併例等、最適な点鼻薬はそれぞれ異なり、効果は段違いである。主成分やカタログ・データだけ
     で考えても、外れるだけ。

喉関連
   抗菌剤を含んだトローチは百害あって一利無し
     時代遅れの抗菌剤(全く効かない)を含有したトローチが、いまだに発売されているのは信じがたい。
     抗菌剤は、必要ならば経口でふさわしいものを服用すべきで、意味の無い抗菌剤の乱用は百害あって一利無し。
   「それは発声が悪いからです」などと単純に言ってはならない
     ベルカントが良い発声などと思ったら大間違い。世界には、沢山の発声法があり、それを完全に習熟・理解
     しているか? 名だたるオペラ歌手が音声障害に悩んでいるのは何故か? 迂闊な発言は避けよ。

   音楽的な「耳」が、どれほど診療に役立つか
   歌手や声を使う人が喉頭癌になって、残念な選択をするケースが無くならない
     進行癌の場合には、喉頭全摘(半切)しか治療法が無く、 手術しなければ、いずれ声は出なくなり、死亡する。
     どうせ声が出なくなるなら、命を落とすのではなく、生きよ!

 北欧・某所にて  撮影:2019年8月

薬関連
   「ジェネリックは、成分が同じ」は、大間違い。全く効かないジェネリックがある
     物によっては成分が7割合っていれば認められるジェネリック。料理で7割合っていれば同じ味?
     日本では、認可されるジェネリックの数が多すぎて(時に40種以上)、全てを把握できない。全く効かない薬
     を受け取ったら??

研修医へ
   医者の将来は、最初の3年で決まる
     本当の勉強はこれから。貪欲に学び経験せよ。知識が無ければ、自分の知っている疾患 のみに無理やり
     当てはめてしまう。
     知識を増やし、五感、六感を鍛え、感覚を研ぎ澄まし、「何か違う」を感ぜよ。

その他
   宗教も政治も、生物学的本能で支配されている部分が大きい
     宗教や政治の普及の原動力の背景には、種族の保存と繁栄の本能が関与している。
   なぜ、目の前の医者の言うことより、全くの素人やネットの書き込み(マイナス要因)を信用するのか?
     マイナスの可能性は、防御反応を賦活させる。リスクとメリットのどちらを取るのかは、本人次第。
     ネットの情報は誤りが多い(医療機関のものでも)ので、冷静に判断、選択を。

   マスコミに作られたスーパー・ドクターは、医者から見ると、?の人も...
     番組制作のために、、無理やり作っているのが多すぎる。出たがりと本当の名医は別物。
 


京都・某所にて  撮影:2014年11月

 

神宮前耳鼻咽喉科 クリニック


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